斬新だ/実験的だと言われているセットですが、実際に見てみるとNHKの芸術劇場を見ているような感じで、斬新さは感じませんでした。
ミニマルなセットと登場人物の心理を客観的かつ詳細に語るナレーションは、観客に「第三者」として鑑賞する事を強制し、現在進行形で語られる生々しい話に、裁判の議事録を読んでいるような淡々とした印象を与えています。
グレースとギャングのボスの会話は色んな意味でかなり笑えます。
『アメリカ』の縮図として観ても面白いですが、「でもさー、一番傲慢なのは監督だよねー」「そうそう、チョー傲慢だよねー」なんて感想を抱く観客(俺)に「オマエだ、オマエこそ一番傲慢なんだよコノヤロー!」と監督が毒吐いている映画だという見方もできるかもしれません。そう思うと、いっその事、撮影機材やスタッフ、さらには映画を鑑賞する劇場やリビングなどの環境を可視化して物語に組み込んで、観客を巻き添えにするくらいでも面白いかもしれません。てゆーか、金払ってるんだから、俺が主でお前が犬だ。
「衝撃のラスト」は、本来驚かなければいけない筈のタイミングよりかなり早く展開が読めてしまうので、そこに至るまでの部分はもっと畳み掛けて驚かせて欲しかったです。
かなり見応えがありましたが長過ぎ。1時間くらいで収まる気がします。
BGM:Creep/Radiohead